R-18
nazoannazoan

空の下、部屋の中、赤い綱

お一人様1個まで
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【「はじめに」は全文公開しています。】 はじめに この物語はフィクションである。 島本和彦あたりなんかは、ありえないくらいに嘘っぽい話を「全ての漫画家がこうである!」と言い切っちゃていることもあれば、自身の大学生活を描いたアオイホノオで「この物語はフィクションである」と断言してしまっている。 
 嘘のような本当の話のような嘘。 本当の話のような嘘の話のような本当。 
 虚構のレッテルが貼られてはいるものの、中身は本物。だけど、そこにはフィクションであるということを言い張りたい、いや、フィクションとして書かねばならない意地がある。 そして、新たな虚構が生まれる。 生まれた虚構は本物以上に真実としての重みを持つ。 事実は小説よりも奇なり。 ならば、事実と小説の境が曖昧になればそこに生まれるのは奇を超えた混沌。 これからお届けする夏の一夜の情事はきっとその境地にいくのだろうと。 いかんせん、これを世に広めるには私の羞恥心がいかんせん耐えられない。 ならば、誰にも買えないような値段でこれを公開する他ない。 もういっそ、誰にも見られぬままに消えてくれと思う。 そんな私の淡い期待を裏切って、この鍵穴を開ける人が現れないことを切に願う。 2018年7月27日 成増庵総監督 北 祐介 総ページ数 40 文字数 9501文字

【「はじめに」は全文公開しています。】 はじめに この物語はフィクションである。 島本和彦あたりなんかは、ありえないくらいに嘘っぽい話を「全ての漫画家がこうである!」と言い切っちゃていることもあれば、自身の大学生活を描いたアオイホノオで「この物語はフィクションである」と断言してしまっている。 
 嘘のような本当の話のような嘘。 本当の話のような嘘の話のような本当。 
 虚構のレッテルが貼られてはいるものの、中身は本物。だけど、そこにはフィクションであるということを言い張りたい、いや、フィクションとして書かねばならない意地がある。 そして、新たな虚構が生まれる。 生まれた虚構は本物以上に真実としての重みを持つ。 事実は小説よりも奇なり。 ならば、事実と小説の境が曖昧になればそこに生まれるのは奇を超えた混沌。 これからお届けする夏の一夜の情事はきっとその境地にいくのだろうと。 いかんせん、これを世に広めるには私の羞恥心がいかんせん耐えられない。 ならば、誰にも買えないような値段でこれを公開する他ない。 もういっそ、誰にも見られぬままに消えてくれと思う。 そんな私の淡い期待を裏切って、この鍵穴を開ける人が現れないことを切に願う。 2018年7月27日 成増庵総監督 北 祐介 総ページ数 40 文字数 9501文字